<感想> ① コンコルディアまで往復2週間強の歩行と、日本からのアスコレーレ往復に要する8日、計3週間強のトレッキングは時間とお金を考慮しても、それだけの価値のある旅だったし、なによりK2の迫力は素晴らしかった。ラッキーにも全期間ほぼ晴れの日が続いたので、見たい山は全て眺めることができた。興味のある方は歳をあまり取らないうちに行くことをお勧めしたい。
② おまけで行くことにしたフンザは期待以上であった。カラコルムハイウェイ(KKH)から眺められる幾つもの高峰は、ヨーロッパアルプス以上の観光資源だと思う(アルプスを見たことはありませんが)。交通インフラの未整備や、テロや印パ紛争などの政治・社会情勢が外国人訪問者を遠ざけているが、その辺が解消されたらフンザは魅力ある訪問先になるだろう。ナンガBC、ラカポシBC、ウルタルBCなど1-2日のトレッキングで到達可能なので、それらを組み合わせた行程を考えるだけで楽しそうだ。
③ カリマバード郊外のドゥイカルの丘からは、かつて先輩諸氏が計画したマルビティン7458mや、北杜夫の「白きたおやかな峰」で有名なディランも見ることができた。パスーで見たシスパーレ7611mはその形状が際立っていて印象の深い山だった。写真集でご覧下さい。
<ご参考> ① 主な日本の旅行会社は、西遊旅行、アルパインツァー、ヒマラヤ観光の3社。毎年1-3ツアーを各社が募集している。どこも我々のような個人トレッキングの手配もしてくれる(はず)。3社の内パキスタンに強いのは西遊との評判。 ② 現地エージェントも多数ある。こちらを使えば費用的には安くあがるがピン・キリだそうなので、選択には注意が必要。 ③ 我々はトレッキング経験豊富な先輩の考えに従って、下記するような事態の際に手厚いサポートが得られるだろうとの期待から(また日本発のツアーより幾分安いので)、西遊の現地子会社、SAIYAH社に手配を依頼した。 ※ 先輩Y氏は初日に熱中症にかかり、殆ど食事が摂れない状態で頑張ったが5日目にGive upせざるを得なかった。ガイドの持つ衛星電話でSAIYAH社を通じてパキスタン陸軍のヘリを要請した。同社の実績とコネクションにより即日スカルドの陸軍病院に搬送された。その後イスラマバードでの長期入院を余儀なくされ、結局我々と一緒に帰国した。入院中は日本語のできるガイドが病院に日参し医師との間の通訳をしてくれた。 ④ 海外旅行保険のうち「救援・治療費用」の補償を無制限としていたので、ヘリ代や入院費用は最終的に保険でカバーできた。尚、現地での支払いはヘリ代など全てSAIYAH社が立て替え払いしてくれた。