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2024年度 芦高谷山周辺の登山道整備作業報告
        2024年6月19日
井草 長雄(昭48卒)

 2012年から始まった高谷山周辺の登山道整備作業も今回で10回目となっ(2020〜22年はコロナ禍で中止)。
 今年も芦安ファンクラブの清水准一会長はじめ10名の方々、富士通アイネットワークの5名の方々にご協力いただき6月1日・2日に実施しました。
 
針葉樹会の参加者:小島和人、前神直樹、井草長雄、小西優顧問、学生=田村健、加藤弘人、他に窪田美樹 計7名(なお、本間さんは大月まで来たところ体調が優れず引き返しました)
 
6月1日(土)晴ときどき曇り
 8時半 甲府駅信玄公像前に集合。バスで芦安に行く予定だったが、バスの運行開始は6月21日からと判明、急遽2台のタクシーに分乗して行くことになった。(井草・窪田組はマイカーで)
 10時半 芦安ファンクラブ事務所前に参加者が集合。針葉樹会7名、芦安ファンクラブ6名、富士通アイネット5名が簡単に自己紹介をし、ファンクラブの清水会長から「本日は全員で中池までの登山道の整備作業をすることにしましょう」という説明を受けて現場に向かう。(なお、富士通アイネット・多田社長より甲州ワインの差し入れをいただきました)
11時 夜叉神トンネル東口をスタート。各自、鋤簾、トンガ、鋸鉈二丁差し、チェンソー、ロープ、番線などを持って桧尾峠に向かう。用具は芦安ファンクラブのものを使わせてもらいました。
 12時 桧尾峠着、白雲荘特製のおにぎり弁当で昼食。峠の目印にもなっていたコメツガの巨木が老齢のせいか嵐で倒れ道を塞いでいたので、清水会長と井草などが残りチェンソーで取り除いた。他のメンバーは中池までのルートを整備しながら進む。
 13時 中池着。桧尾峠から中池までのトラバース道はザレ場が多く、登山道が土砂に埋もれて消えかかっている所があるので、鋤簾などで道をはっきりさせながら進む。中池で小休止をしてから、同じルートを戻りながら倒木を除いたり、ロープを張り直したりしながら桧尾峠へ。
 15時 桧尾峠。ロープ、番線などは峠に残置。夜叉神トンネル東口へと下る。途中、大ガレ場の道を歩きやすく整備する。
 16時半 芦安に全員無事帰着。富士通アイネットの皆さんは本日のみ参加なので帰宅。
 18時 清水会長も参席していただき白雲荘で例によって豪華な夕食。清水会長が初めて聞くような興味深い山小屋の歴史話をしてくれたのでみな耳を傾ける。
 
6月2日(日)曇りのち雨
 今日は雨が降るというので作業は中止し、芦安ファンクラブ事務所で清水会長の「竹沢長衛と山小屋の話」という講話をうかがう座学となった。
《南アルプス北半の山小屋の淵源は、そもそも明治天皇から山梨県に下賜された御料林を管理するための木樵小屋が大正時代に9つ建てられたのが始まりだったそうです。その小屋の造りは、幅4尺(約1.2m)の土間を中にはさんで畳6枚を一列に並べたほどのスペースが向かいあった建坪9坪弱しかない小屋で、そこに木樵(山林労働者)が30人寝泊まりしたのが普通だったという。つまり6畳に15人が寝たわけです。これが山小屋で登山客が雑魚寝するときの基本パターンの源になったそうです(今の学生には想像できないかもしれないけれど)》
 ほかにも山梨県下の山小屋や登山道の開発に竹沢長衛がいかに力を注いだかなど興味深い話をしていただき、あらためて芦安ファンクラブの活動に感心させられました。
 11時 ジャンボタクシーに分乗して甲府へ向かい帰京。井草組は柳沢峠を越えて奥多摩へ帰着。
                               以上
 
参考)
添付写真は、主に富士通アイネット岡本誠氏の撮影によるもので、筆者撮影分を付け加えた。

①朝の打ち合わせ

②登り口からのザレ場

③大ガレ場

①朝の打ち合わせ=10時半、芦安ファンクラブ事務所前で全員集合、作業の打ち合わせをして出発
②登り口からのザレ場=夜叉神トンネル東口から桧尾峠に向かう。大ガレ場への登山道も踏み跡が薄くなっている
③大ガレ場=崩れてきた土砂で埋まった道を修復

④沢にかかった丸木橋

⑤桧尾峠で昼食

⑥桧尾峠の倒木

④沢にかかった丸木橋=年々、沢が崩れて危ない所には丸木橋をかけてある
⑤桧尾峠で昼食=白雲荘特製のおにぎり弁当をほうばる
⑥桧尾峠の倒木=胸高周囲2m以上ありそうなコメツガの巨木が倒れて道を塞いでいたがチェンソーで片づける

⑦ハシゴ場もある

⑧中池ルートの難場

⑨中池ルートの倒

⑦ハシゴ場もある=桧尾峠から中池に向かうトラバース道に入ってすぐの難所
⑧中池ルートの難場=道を広げたりロープを張り直したりした
⑨中池ルートの倒木=人海作戦で邪魔な倒木を引きずり落とす

⑩記念撮影

⑪白雲荘で夕食

⑩記念撮影=針葉樹会、芦安ファンクラブ、富士通アイネットの参加メンバー
⑪白雲荘で夕食=夕食時には芦安ファンクラブの清水会長から面白い山小屋夜話を伺った

芦安の高谷山登山道の補修作業 報告        2023年10月5日
井草 長雄(昭48卒)

 
 2019年5月の作業を最後にコロナ禍で中断されていた南アルプス市の高谷山を巡る登山道補修作業が4年ぶりに再開されました。当初、6月実施の予定でしたが悪天候のため、9月30日・10月1日の土日におこないました。
 参加者は、針葉樹会から本間、小島、中村(雅)、井草、兵藤、佐藤(活)それに学生の淺香、宮田、吉田、佐野の計10人プラス窪田(井草同伴者)。そして芦安ファンクラブの清水会長ほか延べ6人、富士通アイネットの多田社長ほか4人が参加しました。
■9月30日(土) 曇り時々晴
 針葉樹会組は9時半に甲府駅・信玄公銅像前に集合してクルマとバスで芦安へ。11時過ぎ山岳館の隣にある芦安ファンクラブ事務所前に全員が集合して打ち合わせ、道具や資材を分担して夜叉神トンネル東口へ向かった。
 購入した資材は番線3巻、50mトラロープ4巻。道具は鋤簾、唐鍬、ツルハシ、シャベル、手鋸、鉈、鎌、ワイヤカッター、しの、それに道しるべ用のスプレーや蛍光テープなど。
 桧尾峠までの道は春にファンクラブが補修してあったものの、大ガレ場や沢に掛けた丸木橋など危険な個所もあり、道もかなり崩れていた。
 大ガレ場の道は土砂崩れでなくなっていたので、ここで作業を2班に分け、針葉樹会組は中池まで先行することにし、元気のいい1年生はファンクラブや富士通組と一緒に木を切り倒して皮を剥いだ丸太を引きずってくる手伝い。
 桧尾峠から中池へのトラバース道は、通る人が少ないせいか土砂で消えている所が多く、倒木も何本かあった。
 この日は午後4時近くまで作業し、宿の白雲荘に着いたのは5時頃になった。夕食には清水会長にも参席いただき楽しく歓談した。その際、話題となったのは大ガレ場に見られたビロードモウズイカという二年生の外来種。標高の低い河原などの荒れ地にどんどん広がっており、清水さんは南アルプスの高峰まで広がらないうちに駆除したいと語っていた。来年度の作業はザイルで斜面を登降しながらこの草を駆除するのがメインになるかもしれません。
■10月1日(日) 曇り時々小雨とガス
 朝から生憎の雨で合羽を着て出発。この日も作業を2班に分けて、針葉樹会組は桧尾峠から高谷山へのルートにある痩せ尾根にロープを張る作業に。ファンクラブと富士通組は桧尾峠までの道を塞いでいる倒木の処理など。
 高谷山から夜叉神峠へ行き、学生に白根三山の眺めを楽しんでもらおうと思っていたが、ガスで何も見えないことでもあり昼過ぎに作業を切り上げ下山した。とはいえ、所期の計画の七割がたは達成できたと思います。
 今年の作業は登山シーズンが終わる頃になってしまったので、来年はシーズン前の4月中に実施したいものですねと芦安ファンクラブの清水さんや富士通の幹事さんと話しました。針葉樹会の参加者も平均年齢が70代になっているので、なんとか若手の奮起をお願いしたいと思います。 
 また、今回は学生とくに1年生が活躍してくれたのが頼もしかったので、来年はもっと学生に参加してもらうように考えたいものです。清水さんが何かと学生に山での知恵をいろいろ教えてくれていたのが有り難く印象に残りました。

▼写真提供・富士通アイネットの岡本様

芦安ファンクラブ創立20周年記念式典 報告        2019年7月7日
針葉樹会会長 小島和人

 
 5月の初めに芦安ファンクラブの創立20周年記念式典が開かれ,同ファンクラブの活動を理解し多年に亘り協力したとして、針葉樹会に感謝状を頂きました。
 10年前、2009年に芦安山岳館に針葉樹文庫が開設されるに際して大変お世話になった同山岳館館長故塩沢久仙氏が副会長であった芦安ファンクラブとは、その後針葉樹会90周年行事として始まった「夜叉神峠・高谷山周辺山道補修」事業のパートナ‐としてお付き合いが続いています。
 
 平成11年に設立された芦安ファンクラブは、学識経験者、登山愛好家、地元住民で構成され、南アルプスの自然保護と適正利用それに芦安地域の活性化をメインコンセプトにしたボランティア組織です。活動は、北岳・間ノ岳三角点の改埋事業等国土地理院への協力、山岳館・白根三池小屋・広河原山荘・北沢駒仙小屋の指定管理を南アルプス市から受託等広範に亘り、毎年の登山教室は盛況で村をあげての事業になっています。
 針葉樹会からも遠藤さん竹中さん蛭川さん等7名が賛助会員として参加しており、5月の芦安山の神での安全祈願祭や夜叉神・高谷山周辺山道補修への参加を通じて芦安の皆さんに我々は仲間と思って頂いているのを感じます。
 
 今回ご招待を頂いて芦安ファンクラブの創立20周年記念式典と記念祝賀会そして夜叉神への記念登山に本間さんと参加してきたものです。一橋の活動は北岳、仙丈、甲斐駒、薬師岳、観音岳の小屋の関係者は勿論、芦安の村の皆さんに広く感謝されており、何とか今後もこの活動を続けて行くべきではないかと感じながら帰りました。
 

 
1. 特定非営利活動法人 芦安ファンクラブ 創立20周年記念式典
 
1) 日時・場所 令和元年5月5日(日)13時30分より 於 桃源文化会館
2) 式次第
  物故者への黙祷から始まり、清水准一会長挨拶、針葉樹会初め3団体に感謝状、故塩沢久仙前会長はじめ3氏に功労賞が贈呈され南アルプス市長と環境省初代南アルプス自然保護官から来賓挨拶があり、ファンクラブ会員・賛助会員を含め約50名が参列しました。
 
2. 同上祝賀会
 
 上記の式典に引き続き、参加者全員が6つの丸テーブルに着席。夜叉神太鼓演奏と日本山岳・スポーツクライミング協会内藤順造氏の乾杯音頭で幕開け、ファンクラブの歩みのプレゼン、DVD上映、気象予報士の草分け的存在の村山貢司氏のスピーチなど、盛り沢山のプログラムが準備され、沢山のお料理と飲み物が饗され、楽しい祝賀会になりました。DVD上映では、針葉樹会の山道補修の状況が写されて、故宮武会員の活躍ぶりが紹介されていました。北岳肩の小屋や両俣小屋の管理人さんなども参加、配布された記念誌には、小谷部先輩等の
活躍時のお世話になった御礼で山道補修が始まった経緯なども再掲されて
いました。
 
3. 記念登山
 
  記念式典の翌日、5月6日、午前9時有志32名が山岳館前に集まり車に分乗して夜叉  神登山口へ。ファンクラブ会員のガイドさん達の高山植物案内を交え、2時間かけてゆっくり夜叉神峠へ。残念ながら雲が視界を遮り白根三山は御隠れ。それでも小一時間峠で懇談。新装なった登山口の夜叉神ヒュッテで13時半、ソフトクリームを楽しんで実質解散しました。
 
4、その他
 
  記念式典・祝賀会。記念登山の様子は地元南アルプスの企業から山道補修に例年参加頂いているFINET社・岡本部長からの写真集をお届けします。お時間のある方のご参考です。⇒こちら
 
(HP編集者補足)
小島会長から報告のありました、5月5日の芦安ファンクラブ創立20周年記念式典に続いて、5月25~26日に実施された芦安登山道整備作業に、針葉樹会より8名の会員が参加しました。その模様を前神会員が芦安ファンクラブ通信に投稿し、このたび発行の同通信73号に掲載されました。芦安ファンクラブの許可を得て、PDF版を掲載しますので、ご覧いただきたいと思います。⇒こちら